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【個人的読書感想文】アンガーマネージメント

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アンガーマネージメント。最近良く聞く言葉だ。
怒りをコントロールすることは大切だと思う。でも難しい。なぜ難しいのか?

怒っても何もいいことはない。そんなことは言われなくてもわかっている。少々ふてくされながら本書を開くと、一気に引きこまれてしまった。怒りとはそもそも何なのか。なぜそのような感情が生まれるのか。そうした怒りの性質や特徴をあらためて確認できたことは、わたしを冷静にしてくれた。仕組みや構造がわかると、それはもはや未知の現象ではなくなる。

いろいろ考え方もあるけれども、とりあえずゼロベースで読んでみようと思う。

 

○ いつもなんとなく社員がイライラしている。上司は人前で部下を怒鳴りつけ、みんながビクビク仕事をしている。こうした職場はまさに「不機嫌な職場」だ。

大手IT企業が発表していたが、仕事の生産性向上に欠かせないのは、職員同士の安心感であり、組織全体の安心感である。よって、怒りやイライラは、全て台無しにする。

○ いま、大企業を中心とした多くの組織が、2020年6月に施行されたパワハラ防止法の対策に取り組んでいる。パワハラ防止策をとることが義務づけられているため、管理職にアンガーマネジメントに取り組ませる動きが勢いづいているものの、パワハラの線引きは多くの人にとって悩みの種だろう。

今までの常識もこれからの常識になるとは限らない。多様化が求められる時代に、周りの全ての人が同じ考えでいること自体が、おかしいのであり、
お互いに認め合い、これからどうするか?が大切になってくる。

○ 「あの人のせいでイライラする」、「取引先が何かとわたしに要求してくるのでムカムカする」など、多くの人は外的要因に怒りの源があると思っている。

これは間違っている。全ての怒りは自分の中から、湧き出ている。自分がコントロールすれば、それで済むことなのだ。

○ 怒りには、高いところから低いところへと流れる性質がある。上の立場に跳ね返すより、自分より力関係の弱い下の立場へと矛先を変えてぶつけてしまうからだ。家庭や学校でも同様だ。もし上司より部下のほうが知識や情報を持っていれば、上司が逆にパワーハラスメントを受けることもある。

これは私の身近でもよくあることである。仕事の鬱憤を家庭にぶつける。子供にぶつける。自分の不甲斐なさが原因なのだ。自分の体にぶつけるのも良くない。酒や煙草などで、疲労の上に疲労を与えるなんてあり得ないことである。
これは、自分自身もっとも気をつけなければならない。

○ 怒りは、自分の「コアビリーフ」と現実との間にギャップが生じたときに表れる。コアビリーフとは、いわば「自分にとって譲れない価値観、信条、信じているもの」である。「こういうときはこうするべきだ」「こうあるべきだ」といった言葉に置き換えるとわかりやすいだろう。

多様化の時代なので、自分の価値観は何なのか?考えさせられる。
「こうしなければならない」「こうであるはず」の解釈は無くさなければいけないと思った。

○ 職場で後輩に声をかけた場面をイメージしてほしい。その後輩は、パソコン作業をしながら目も合わさずに小さな声で挨拶を返した。さて、あなたはどんなふうに感じるだろうか。「先輩の挨拶には作業の手を止めて、目を見て、大きな声で挨拶を返すべきだ」というコアビリーフの持ち主なら、後輩の態度は失礼極まりないと怒り心頭になるだろう。一方、「忙しければ朝からメールのチェックもするだろう。反応してくれただけでよし」と思う人なら怒りは生じない。

そういった目線でモノを捉えることの大切さを知った。

○ 怒りの態度が生まれたときには、こうした気持ちを素直に言葉にするのがよい。「同じミスを繰り返されてしまうと、さすがにわたしも今後どう指導していいか、いまとても困っているんだよ」と言われれば、部下も上司の思いを受けとめやすくなるだろう。

怒るのではなく、落ち着いて物事を捉える。ここでも大切さを知る。

○ 怒りとうまく付き合っていくための心理トレーニングには、対処法と体質改善という2つのアプローチがある。

1つは6秒ルールがある。6秒数えることによって、感情の起伏がおさまるということだ。私のおすすめは、その場から離れること。6秒経ったら、戻ると落ち着いて対処できる。もうひとつは深呼吸をする。これもその場から一旦離れることが大切だと思う。ゆっくり深呼吸してから戻ると良い。自分に合っている方を選ぶ。私は6秒の方だ。

○ 怒りを感じたときに、その場で、日時や場所、出来事の内容、そのときに思ったこと、その怒りが何点かを記録する。大事なのは、書いているときに分析しないことだ。怒りを感じているときに分析してしまうと、それにとらわれて悶々としてしまう。ただ単に書き留めておくだけという気持ちで記録しよう。

冷静になって記録することで、なぜか怒りが出たのか客観視できる。しかしながら、私的には、これは合わないかも知れない。

パワハラという言葉が世の中に浸透して以降、叱ること自体がよくないと考える人も増えている。しかし、叱ること自体が悪いのではなく、叱り方が重要なのだ。

抽象的な叱り方ではなく、具体的な数字を用いて説得する。相手が納得して自発的にならない限り意味がないが、どうしたら納得してくれるかを考える。

この本を読んで、身近な大切な人にこそ、怒りをぶつけてしまう習性があることがわかった。この点は私も注意したい。怒りは高いところから低いところに流れる。結局、最後は弱者が被害を受けること。身に染みて感じる。