【個人的読書感想文】カイシャインの心得~幸せに働くために更新したい大切なこと (単行本)
環境の変化が厳しい時代になってきた。何が正解か何が間違いか、わからない。ここ数年は手探りの生き方になるだろうと考えている、
実際には、私のまわりも働き方が変わってきている。どのようにこれからの生き方や仕事の仕方を変えていくが、自分の好きなことを見つけられるか、参考になればと思い読んでみた。
低価格のクラウドサービスを提供している。サイボウズという企業をご存知だろうか。「がんばるな、ニッポン」というキャッチでも有名だ。
本書の著者はサイボウズの副社長であり、「100人100通りの人事制度」づくりの発起人でもある山田理氏だ。自分の働き方は自分で決めるという方針だが、そう言われても、私みたいな自信のない者は戸惑うばかりだ。自分は社会に受け入れられているのかと言う不安もある。コロナ禍により時代の変化が激しくなっている、これからの働き方に大きなヒントがありそうな1冊であると思う。
私は「我慢をすれば成長できる」と言われてきた。実際に成長できたところもあれば、残念ながら駄目だったところもある。これからは「できること」自分の仕事としていくのが、当たり前になってくると思う。できる事と言われても、思い当たらなければ、思い出してほしい、人にありがとうと言われた事は何か。人に感謝されるという事は、自分の得意分野であると言うことを理解してほしい。
こんな例が挙げられている、サイボウズの副社長である筆者は新入社員からTwitterのプロフィールについてダメ出しされた。そこで新人にプロフィールの改善について頼んだところ、フォロワーが1番で倍以上になった。一昔前であれば、考えられないことですが今ではたとえ経験が浅くても、この分野だけは、飛び抜けた能力がある若者もたくさんいる。そういう人たちから助けてもらうのも1つのやり方だと思った。
自分の個性を生かして幸せなキャリアを築いていくためには、次の3つがベースになる。これこそが、これからの社会人、つまりカイシャインの心得だ。
(1)「できる」×「やるべき」から始める(「やりたい」は後からついてくる)
(2)自分の幸せをゴールに選択する
(3)質問責任を持つ
まずは人に感謝される事は無いかと探してみる。人から、ありがとうと言われる事は自分自身の大きなスキルになる。自分がやりたいといっても、相手から感謝されなければ意味がない。
この本では「できること」「やるべきこと」+「やりたいこと」を3点セットと呼んでいる。「できること」と「やるべきこと」の2つを重ねられる仕事を探す。そして「やりたいこと」を重ねていく。最終的には3点セット全てを重ねられる仕事をしていくことを考える。すなわち人から感謝されて、その仕事が自分のやりたい仕事であればベストである。
もちろん無理に背伸びをしてはいけない。あくまでもありのままの自分で得意なものを見つけ出すことを最優先に考える。無理をすると相手の期待と自分のできることの間に乖離ができて苦しくなる。
得意な事は何でもいい、インターネットでもいいしすまほでない手芸が好きな人もいれば動物が好きな人もいる自分の好きなことは何でもいい。相手が受け入れてくれれば良いのだ。
自分が仕事の役に立っているかどうかわからない時は上司や経営者に直接聞いているみることも手段の1つである
仕事の意味が全くわからない時もある。無意味な仕事をやらされる時はいつも理不尽だと思う。しかし知識と経験を積むとその理不尽だと思っていた仕事の意味を理解することができる。場合が多いが理解できない時もある。
その時は迷わず上司や先輩に聞いてみよう。それでも理解できない場合は、自分はこの仕事に合っていないなと理解することができる。その時は移動や転職を考えた方が良いかもしれない
サイボウズの過去は相対評価であった。「ついて来られない人はやめてください」会社のためにすべてを投じて尽くしてくれる人だけを評価していた。その結果離職率が28%に及んだ。
そこで、社員との「ザツダン」を始めた。その人の得意なこと、好きなこと、やりたいことを聞いてきた。もちろん現状の立場についての気持ちも聞くことも大事だ。
その中で気づいたのは、持続的に理想を目指していくためには、100%コミットしてくれる人だけではなく、いろいろな距離感で関わってくれる人たちを巻き込んでいく必要があるということだった。80%の人も50%の人もいていい。いったんは会社を離れて0%になっても、いつか戻ってくる可能性があるならつながり続ければいい。
そう考えて、「100人100通りの働き方」が実現していった。正社員だけでなく、複業メンバーやフリーランスの人も含めてチームになっている。コミュニケーション力でチームに貢献する人もいれば、それ以外の力で貢献する人もいる。これからのチームにおいて大事なのは、自分の個性を存分に発揮して、チームの理想に貢献することなのだ。
この部分は、とても理解できた。
その人の、特徴を活かしてもらえれば、会社も個人も良くなる。時間で管理するのではなくて、その時、その場面で生かせることが大切。身体の1部でも活かせれば、経営者としても、ありがたい。正社員に限ったことではなく、フリーランスや副業でも構わないと思う。
なんでも質問をしても良いというスタンスも、理解できる。それへ立場に限らず疑問に思うこと、納得のいかないことは、質問しても良いという。逆に質問がないということは、理解しているとみなされる。もちろん意義がないということだろう。後で、「ダメだと思った。」と言うことは禁止になっている。ダメだと思うなら、なぜ質問をしないんだと言うことになる。
質問をすると言う事は、個人が納得して自分の行動を選べるようにする基本である。個人の幸せは組織の成果を両立させるために必要な事だ。自立は1人で何でもできるようになると言う事と同時に、わからないところ、できないところは人に手伝ってもらい、助け合うことにより、個人、家族、そして周りの人達が幸せになること。そういう自立こそが必要と思う。
この本は、働き方が変わっていく中で自分自身に迷いがある方にはぜひ読んでもらいたい。若い人だけではなく、自分を見失いそうな人には何かのきっかけになりそうだと思った。