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【個人的読書感想文】パラダイムシフト

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新しい世界がやってきた。新型コロナウイルスの影響で、世の中の常識が変わり、人とリアルに出会い、交わることの制限がされた。ただ、どんな状況になろうとも、生きていかなければならないし、生活もしなければならない。

変化に対して悲観的すぎても楽観的すぎてもいけない。自分はどう生きたいのか、私たちはどんな選択をするべきなのか。要約者は「本質を見失ってはいけない」と、著者に優しく諭された気がした。世界は私たちの行動次第でもっとよくなる。そんなふうに、自分軸で生きていく勇気をくれる一冊である。

この本を読んで、変化に対してどのように対応すれば良いのか、考えるきっかけになると良いと思っている。

新型コロナウイルスパンデミックを引き起こし、世界が一斉に急ブレーキを踏んだ。グローバルサプライチェーンが分断され、多くの人が「世界の問題」は「自分の問題」だと気づいたのではないだろうか。

自分にとって何が大切で、何を捨てれば良いのかを選択することができる。迷った時は物事を俯瞰して見て、判断してみる。結局のところは、自分の立場で、できること淡々とこなすことが、唯一の貢献である。

パラダイムとは思想や価値観、社会観念のことである。そしてパラダイムシフトとは、そうした思考パターンの転換を意味する。各世代には特有のパラダイムがあり、戦前、戦後、団塊ジュニア世代、ミレニアル世代というように、世代の変遷とともに変化していく。

どの時代にも生きたパラダイムでも、その時その時のしっかりとした価値があると思う。過去のすべてを否定せずに、残すところは、残して、新しいパラダイムとして生きていくことの大切さを知った。

複雑で厄介な問題に対処するとき、問題の種類を見誤ると解決が遠のいてしまう。トランプ政権は、それにより新型コロナウイルスの封じ込めに失敗した。

問題はいろいろな中身がある。明らかに答えがある問題と、答えが難しい問題、答えがない問題まである。答えがない問題とは、何がわからないのかが、わからない問題であり自分の適応ですべてが決まる。1つ間違えると被害を受けるのは弱者であると言うことを忘れてはいけない。

今回のパンデミックのような大きな変化の際には、思考にバイアスがかかっていないか注意しなければならない。バイアスはパラダイムをつくり、またパラダイムはバイアスをつくる。パラダイムの変革をめざすには、自分の思考パターンを把握する必要がある。

1つの問題が定義された場合の答えは、何通りもある場合が多い。私たち庶民はどうしてもマスコミなどの報道に影響されて偏った答えしか持てなくなっているが、1つの答えには理由がある、その理由を知った上での答えを出す必要がある。偉い人が言うことがすべて正しいということは、とても恐ろしいことだと思う。

思考パターンの裏には「認知バイアス」が潜んでいる。認知バイアスとは無意識に働く心理的動作をいう。いつウイルスに感染するかわからないような状況下では、人は生命維持モードのスイッチが入りやすく、認知バイアスにとらわれやすい。

自分がどの認知バイアスに落ち入りやすいのかは、注意しないといけない。認知バイアスはいろいろな種類があり、興味がある人は調べて欲しいが、偏っている場合もある。

毎朝決まった時間に起き、電車に乗ってオフィスに向かう。そんな日常がコロナ危機によって崩れ去った。多くの人がオフィスに出勤できず、上司に細かな指示を仰ぐことができなくなり、各自が自律的に働くことを余儀なくされた。そうした姿こそが本来働き方改革がめざすものである。

働く意味を考えることは、とても大切になった。自分の立ち位置を考えて、どうすれば仕事で貢献できるかを考えなければいけない。人生も同じことが言える。ゴールを決めて、残り時間をどう過ごすかと言うことは、とても大切になるし、今やるべきことを具体化することができる。

日本の企業は新入社員を採用し、研修後に適性を見極めて配置してきた。企業が求めるのは長く働いてくれる人材である。そのため学校側は、生徒に従順さを教え、安定就労できる人材に育ててきた。

これは今後の教育の課題であると思った。これからの企業は、定年まで働かせてくれることは、ほぼ厳しいと思う。時代の変化が早過ぎて、企業の寿命すら、短くなるし、変化を求められるからだと思う。
これからは、イエスマンの人材ではなく、自由な発想ができるイノベーティブな人材であると思う。教育も自分に合った本式に選べる時代が来たのだと思う。

コロナの危機に際し、疑心暗鬼になったり自己中心的になったりする人の姿が見受けられた。このように翻弄されるのは、自分の軸を持っていないからだ。自分に軸がある人は、パラダイムの変化で一時的に軸がブレたとしても、しっかりと立て直すことができる。

自分の軸の大切さを知る。変化があっても動じない。変化に対応した生き方ができることが大切だと思った。ピンチはチャンスということもあるが、軸を持っている人だけに与えられることなのかもしれない。

本書はいろんな分野の方々が、変化に対応する術を的確な目線で語っている。自分は何が得意か何が好きなのか、どの分野なら自分の力が世の中に貢献できるのかを考えた上で、時代とともに変化していくことの大切さを知ることができた。

 
参考文献