足りないことは。
足りないことはありがたい。
なんでも足りないと、気分が落ち着かない。やはり不足のところを満たそうとする。実際に満たされると、もっと不足のところを探そうとする。その繰り返しで生きてきた。ふと今になって立ち止まる。
「おまえ、そんなことばかりして疲れないか?」
そう考えた瞬間に疲れがくる。
食べ物は美味しい。今の時期は特になんでも美味しい。ついつい食べ過ぎてしまう。その分に動けば良いのだが、食べ過ぎると動けない。やはりちょっと足りないくらいがちょうどいい。
美味しいものを腹一杯食べたいからと、おもいっきりランニングをする。限界を超えたトレーニングをする。気持ち悪くなる。次の日は筋肉痛やら関節痛やらで動けない。やはり、ほどほどがちょうどいい。
休みの日は思いっきり寝たい。目覚ましをかけずに寝る、そして果てしなく寝る。気がつくと15時間くらい寝ていた。身体がだるい。やっぱり動けない。
8時間くらいの睡眠でちょうどいいと気づく。
いろんなことをたくさん満足するまでやってきた。
こんな環境に生まれて、本当にありがたい。
過去の偉い人は、及ばざるは過ぎたるより勝れりと言っていた。不足の世界から、新開発の発明品が生まれた。
やっぱり足りないことはありがたい。
それでは。