読書感想や思っていることを話すブログ

世の中の不思議なこと、疑問に思ったこと、日々感じたことを話します

思うこと

いわれたことは何でも快く引き受け、成果を上げて、仕事を覚える。
仕事ができるかどうかは、能力の差ではなく仕事のやり方の違いだ。
能力が足りなくても、仕事のやり方次第で成果は上がる。
だから「これが何の役に立つのか」などと思わず、何事も経験と思って前向きに取り組むべきだ。
20代社員はまずやってみる、何でもやってやろうの精神で仕事に臨もう。

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若いときは、やって損をする仕事などない。
ある東北生まれの青年が、高校卒業後、飲食業で身を立てようと東京の老舗レストランの見習いとなった。
彼が与えられた仕事は皿洗いだ。
3カ月、半年経ってもなかなか調理場には立たせてもらえない。
そのレストランでは、高卒の未経験者を一から育てる気などなかったのだ。
しかし彼は、3年間辞めることなくそのレストランで働き続けた。
彼は、独立して店をもつなら経営感覚も必要だと考え、レストランの経営を徹底的に研究した。
彼は退職後、貯めたお金を元手に、調理人を雇って小さな洋食屋を開業した。
この店は大繁盛し、10年後には60店舗の店を持つオーナーになっていた。
もし彼が皿洗いという下働きをつづけていなければ、こんな展開にはならなかっただろう。

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その後の人生で後悔しないために、若いときにしかできないことをやっておこう。
20代のうちにやっておきたいのは、「愚行」、つまり「愚かな行ない」だ。
中年を過ぎた人に「あなたが後悔していることは何ですか」と聞くと、まず「もっと勉強しておけばよかった」「もっと遊んでおけばよかった」「もっと恋をしておけばよかった」の3つが上位にあがったという。
この答えのポイントは「しなかった内容」を悔いているのではなく「もっと」という言葉を使っていることにあるだろう。
勉強も仕事も遊びも恋も生涯やれるものなのに、この3つで後悔しているのは、「もうこれでいい」というまで「やり切れなかった」からだ。
たとえば、ライブドア元社長の堀江貴文氏も、起業した当時は「睡眠時間以外はすべて仕事に費やす」時期を過ごしたという。
ふつうの感覚なら、「何が楽しいのか」と思うはずだ。
しかし堀江氏は「楽しかった。面白かった」と当時を振り返っている。
堀江氏の「愚行」は事業だったが、やり切るのは恋でも遊びでもいい。
20代で何かに打ち込んだ経験は必ず後で生きてくる。

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20代の若いうちに「忖度」の能力を身につけておきたい。
忖度とは「他人の気持ちを推し量ること」だ。
他人の気持ちを推し量れるようになると、仕事はレベルアップする。
忖度の得意な人間として有名なのは、豊臣秀吉だ。
秀吉が織田信長の草履を温めたエピソードは、彼の忖度力を表すものである。
GEの元会長ジャック・ウェルチは、社員をレベルアップさせる方法として「ワークアウト」をあげている。
なぜ「ワークアウト」に参加すると、社員のレベルが上がるのか。
それは、「ワークアウト」には忖度力が必要不可欠だからだ。
ふだんからきめ細かな観察眼を働かせていないと、議論に参加できない。
周りを見て判断する忖度力は、ビジネスに欠かせない、重要なスキルなのだ。
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上司にも当たりハズレがある。
ダメ上司にぶつかってしまったときには、古代ローマの歴史家であるリヴィウスの「一兵卒の才能と将軍の才能は同じではない」という言葉を思い出してほしい。
どんな上司に対してもこのような気持ちで接するのが、長きにわたるサラリーマン生活を送るうえでの知恵である。
しかし、平社員と部長に求められる能力はそれぞれに違うものだから、その能力を並べて比較することはできない。
学歴は高卒だが天才的な発明能力をもつ日本人がアメリカへ渡り、NASA関係の企業に採用されて新人研修を受けることになった。
研修で一緒になった若手社員はみな一流大学出身だ。
しかし他の若手社員は、退職を余儀なくされたり、降格されて地味な部署に飛ばされたりしていた。
どんな人にも長所がある。
誰かを無能と思うのは、相手の長所が見えない人間だけだ。
そのような見方をする人は、組織の中ではうまくやれない。
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坂本龍馬は人に質問するのが非常にうまく、わからないことはなんでも聞いて学んでいた。
彼は多くを耳学問で学び、時代を動かす見識を持った。
人から聞くことは、ほかのどんな学び方よりも本質を学べる。
答えてくれた人の一生分のノウハウが詰まっているからだ。
耳学問の効用は3つある。
中身の濃い知識や知恵を授けてもらえること、学ぼうとする姿勢を評価してもらえること、そして人間関係が良好になること、だ。
20代は、知らないことがいっぱいあってもおかしくない年代だ。
わからないことがあれば先輩や上司にどんどん聞いて、自分を成長させよう。
誰かに教えを請われて嫌な気分になる人はいない。
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本書の著者は、80歳を超えてなお精力的に執筆活動をしている方だ。
本書では、そんなバイタリティ溢れる著者の視点から、若い世代に物足りなさを感じる点が率直に語られている。
自分の生き方は本当に今のままでいいのだろうか。
なんだか安定しているけどちょっとした変化がほしい。
そんなふうに感じている人は、本書を読んでみると思わぬヒントを得られるかもしれない。
タイトルには「20代でやっておきたいこと」とあるが、年齢を問わず、よりよく生きたいと願う読者に読んでほしい一冊である。